【2026年食品包装規制】PFAS不使用・食品衛生法の新試験が求める「資材トレーサビリティ」
食品メーカーにとって異物混入や微生物制御は永遠の課題ですが、2026年現在、それらを凌駕するスピードで規制の網が掛けられているのが「容器・包装材料」です。2026年は、欧州のPPWR(包装・包装廃棄物規則)によるPFAS制限と、国内の食品衛生法の新しい溶出試験が相次いで動きます。意図的な添加だけでなく「製造ラインからの移行」や「資材ロットの混ざり」すら許されない新時代に、食品・化学メーカーが備えるべき資材トレーサビリティを解説します。
【EU】PPWR ― 2026年8月12日から食品接触包装のPFASを厳格制限
欧州のPPWR(Packaging and Packaging Waste Regulation)は2025年2月に発効し、2026年8月12日から適用が始まります。食品に接触する包装については、この日以降、PFAS(有機フッ素化合物)が一定の閾値を超えて含まれる包装は市場に出せなくなります(在EU日本国大使館・農林水産省の資料に概要がまとまっています)。
- 在庫処分の猶予がない:施行日以降に市場に出る包装は、事前に製造した在庫であっても例外なく制限値が適用されると整理されています
- 閾値はppb〜ppmオーダー:PFASの種類に応じた微量の制限値が設定されており、まず総フッ素量で確認するといった段階的な検証アプローチが示されています
- 遡及的な「不使用証明」が必要:原材料メーカーからのPFAS不使用証明に加え、自社の製造ライン(耐熱パッキンやコーティングの劣化による微量移行)で汚染がないことの証跡も問われ得ます
数値・適用範囲は必ず一次情報で確認を
PFASの具体的な閾値や対象範囲、検証方法は、欧州委員会のガイダンスで随時明確化されています。輸出を予定する場合は、必ず在EU日本国大使館・農林水産省の最新資料や欧州委員会の公式情報、検査機関に確認してください。本記事の数値表現は概略です。
【国内】食品衛生法 ― 2026年6月施行の「総溶出物試験」
国内でも、食品用器具・容器包装の規格基準が見直されました。従来の限定的な「過マンガン酸カリウム消費量試験」に代わり、より包括的に有機物を測定する「総溶出物試験」が新設され、2026年(令和8年)6月1日から施行されます。対象は「個別規格が設定されていない合成樹脂製の器具・容器包装」で、2030年6月1日までの経過措置が設けられています(食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度/消費者庁)。
現場で「個別規格に適合した樹脂材料」と「一般規格の材料」を取り違えてラインに投入したり、洗浄工程の記録が曖昧だったりすると、ロット全体の安全性を客観的に証明できなくなり、出荷停止や自主回収のリスクに直結します。開封後の期限管理の考え方は「開封期限と有効期限の違い」も参考になります。
規制を越える「資材・工程トレーサビリティ」の3要件
- 原材料・副資材と「製造レーン」の完全な紐付け:食品の原材料だけでなく、その時使った包装フィルムのロットや生産ラインの情報が、QRスキャンで一本のデータとして結合される
- 適合資材の投入インターロック:欧州向けや新基準対応ロットの生産時、認証されていない古い資材や別規格の樹脂を投入しようとするとシステムが検知して警告する
- サプライヤー証明書と製造ログのデジタル一元化:資材ごとの不使用証明書・試験結果証明書が現場の製造記録とデジタルで直接紐づき、監査時に必要な証跡を取り出しやすくなる
資材トレースでの QUALIKEEP の使いどころ
PFAS分析や適合判定は検査機関・材料メーカーの領域ですが、その結果を「現場でどう使ったか」に結びつけるのが QUALIKEEP の使いどころです。包装フィルムや樹脂資材のロットに、仕入先の不使用証明書や試験成績書(CoA)を添付して使用実績と紐づけられます。期限切れや先入れ先出しの逸脱はスキャン時に警告できるので、監査官や取引先から証跡を求められたときも、バインダーを探し回らずに必要な資料をそろえる助けになります。
まとめ
- 2026年は、EUのPPWR(8月12日適用・食品接触包装のPFAS制限)と、国内の総溶出物試験(6月1日施行)が相次ぐ
- 「中身の衛生管理」だけで完結する時代は終わり、包装・資材の証跡が問われる
- 微量な移行やロットの混ざりも許されないため、資材ロットと製造レーンの紐付けが鍵
- 具体的な数値・適用範囲は必ず公式の一次情報で確認する
どの資材ロットを、いつ、どのラインで使ったか。証明書との紐付けまでスキャンで残しませんか。
QUALIKEEP の機能や料金を詳しく見る →ご注意
本記事は公開情報を整理したものです。PPWRや食品衛生法の具体的な要求値・対象・施行の詳細は随時更新されます。最新かつ正確な内容は、必ず消費者庁・農林水産省・在EU日本国大使館・欧州委員会などの公式情報と、検査機関・材料メーカーにご確認ください。
参考・出典
- 在EU日本国大使館「EUのPPWR(包装・包装廃棄物規則)の概要」(PDF)
- 農林水産省「PPWR(EU包装・包装廃棄物規則)調査報告書」(PDF)
- 消費者庁「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について」
※ 外部サイトの内容・URLは変更される場合があります。最新の情報は各機関の公式ページをご確認ください。